愛犬の本能と絆を育む「レトリーブ遊び」:おうちでもできる万能トレーニング
「運動はしているのに、まだ遊び足りないみたい…」そんな時は、頭と心も満たす“レトリーブ(持ってくる)”を。 家でも外でもできて、犬の本能を満たしながら自制心と集中力を育てる理想的なアクティビティです 。
レトリーブとは?
レトリーブは「犬が物を拾って、飼い主の手に渡す」行動を指します。単なるボール投げとは異なり、 必ず人の合図で持ってきて手渡すのがルールです。 犬には獲物を運ぶ本能があり(野生では獲物の一部を安全な場所へ運ぶ)、 それを人との協働行動に洗練させたのがレトリーブです。
専用の「ダミー」(粒入りの布袋)や、フードが入れられるタイプなど道具はいくつかありますが、 愛犬が好んでくわえる物なら家庭用おもちゃでも始められます。
どんなメリットがある?
- 室内・屋外どこでもできる柔軟性
- 特別な道具はほぼ不要。おもちゃ+ごほうびでOK
- 人と犬が密に協力するため、絆が深まる
- 頭と体への二重の刺激
- 合図を待つ→自制心と基本トレが強化
- 走る・探すなど個性に合わせて負荷調整しやすい
例:パワフルな子は「遠くへ走って回収」、落ち着いた子は「近場で探索」に。 高頻度を好むワーカーホリック気質の子もいれば、週2〜3回が合う子もいます。
始め方:練習ステップ
- 手渡しから:目の前の物を拾い、飼い主の手に入れるところまでを丁寧に。
- フード入りダミーで動機づけ:「手渡しでごほうびが出る」成功体験を積ませます。
- 序盤はリード併用:走り去らないよう軽く管理し、成功を重ねる。
- 投げずに“置く”:興奮の追跡ではなく「落ち着いて持ってくる」を学ばせます。
応用編:バリエーション
- 左右に置いたダミーをハンドシグナルで指示した方だけ回収
- 倒木など軽い障害物を越えて回収
- 落ち葉の山に隠して探索要素を強化
- 他の飼い主さんと合同トレで競争心&集中力アップ
ロングリードでも十分に取り組めます(前方の落ち葉の山などに隠して回収)。
専門家コメントと安全ポイント
「レトリーブは“走るだけの遊び”ではなく、合図を待つ・考える・落ち着いて手渡すという 自制のトレーニング。関節負担が少ない設定にすれば、高齢犬やリハビリ中の子にも適応できます。」
安全のコツ
- 滑りやすい床では短距離&低速で。屋外は段差・障害物に配慮。
- 硬すぎる物は歯を傷める恐れ。柔らかめのダミーやラバーおもちゃを。
- 「放せ」の合図を必ず教え、興奮し過ぎたら小休止。
- フードを使う場合は1日の総カロリー内で調整。
関連商品のご紹介
- トレーニングダミー(布製/洗える):やわらかく咥えやすい入門用。
- フードダミー:手渡しでごほうびが出る“成功のしくみ”づくりに最適。
- flexi 伸縮リード:序盤の逸走防止・距離調整に便利。
- トリーツポーチ:即時強化で学習スピードUP。
監修・出典
原著:Katharina Schlegl-Kofler「Retrieving – a versatile activity」
初出:flexi Dog Blog(2020年2月10日公開)
本記事は著作権許諾に基づき翻訳・再構成しています。
参考・引用:定義と背景/メリット/
進め方/応用例。
監修:シュトルヒ編集部(獣医師・ドッグトレーナー)